まずはHTTPのバージョンについて
主に使われているのはHTTP/1.1, HTTP/2, HTTP/3で、これらの違いはHTTPメッセージ(HTTPリクエストとHTTPレスポンス)の伝え方が異なりますが、HTTPメッセージの意味は一緒です。
HTTPのバージョンが上がるにつれて、このHTTPメッセージを効率化してやり取りする仕組みが導入されていると解釈して良いです。
送受信するHTTPリクエストおよびHTTPレスポンスの意味は変わっていないので、ブラウザ上で動作するJavaScriptや、サーバ上で動作するアプリケーションは今まで通りこのHTTPのバージョンを意識することなく、HTTPリクエストやHTTPレスポンスを処理することができます。
次世代Web通信プロトコル「HTTP/3」とは
HTTP/3は通信、Webサイトの表示速度を高速化する仕組みです。
まず、前バージョンのHTTP/2では1つのTCPコネクション上でリクエストを並列的に投げることで、効率的にネットワーク待機を利用し表示速度を高速化できるようになりました。
HTTP/3では、さらに並列的にリクエストした際にレスポンスデータを含むパケットをロスした場合でも、後続の届いたパケットが処理可能であれば処理をすすめることができます。
これによりHTTP/3では届いたパケットが処理可能であれば処理するという特徴があり、HTTP/2よりもさらに効率的で表示速度が高速になりました。
HTTP/3を利用する際の注意点
HTTP/3を利用する際は、サーバー側で以下2点が必要となります。
- UDP 443 番ポート
- サイトの常時SSL化
ポートがHTTP/2では、TCP80番とTCP443番が利用されていましたが、HTTP/3では、UDP443番を利用する必要があります。
UDP443番ポートが閉じているとHTTP/3を導入できないので、このあたりがHTTP/3を利用する上では注意が必要です。
また、暗号化通信(SSL証明書の利用)を前提としていますので、サイトの常時SSL化が必要となります。
まとめ
要約して簡単にまとめると「HTTP/3は通信が効率化されて、今までよりも速度が高速になる」ということが言えます。
インターネットで用いられる通信プロトコルなどの標準化を行う団体のIETF(Internete Engineering Task Force)にて次世代Web通信プロトコル「HTTP/3」が新たなインターネット標準になったことが明らかになりました。
ブラウザの「Google Chrome」や「Firefox」での実装も進んでいるので、今後はHTTP/3は標準的な仕様になっていくことが見込まれます。
Webサイトの表示速度が検索エンジンのSEO対策として重要な意味を持っている以上、このHTTP/3への対応もレンタルサーバーを借りる場合の1つの指標として考えてみてはいかがでしょうか。
注意点でも挙げたSSLが必須な点については、セキュリティ対策の面からも暗号化通信はもはや必須ですのでSSLを利用できないレンタルサーバーはあまりないと思います。
まずは、レンタルサーバーを借りる場合などは無料でもSSLを利用できるものを利用することをオススメします。