今回はオープンソースの顧客管理システムであるSuiteCRMをレンタルサーバーにインストールしてみたいと思います。
Nextcloudと同様にCoreserverのV2プランでは自動インストールができる様なのですが、どのレンタルサーバーでもインストールできる様に今回公式サイトにて用意されているファイルをダウンロードしてインストールしてみたいと思います。
ただ、ファイル転送やインストール作業に結構手間がかかるので、レンタルサーバーの選択から出来る状況であれば、自動インストールの利用できるCoreserverのV2プランをお勧めいたします。
まず、作業に入るにあたり、レンタルサーバー側で指定のURLと、公開ディレクトリが設定されているものとします。
また、今回はCoreserverを利用してみたいと思います。
1. インストール用プログラムをダウンロード

上記リンクに遷移し、以下キャプチャの矢印のところからZIPファイルをダウンロードしてください。
(執筆時: SuiteCRM-8.2.0.zip)

2. ファイルをサーバーに設置
ZIPファイルを解凍すると、以下のキャプチャの様なファイル群が生成されるかと思います。

このディレクトリのなかのファイル群をレンタルサーバー上の公開ディレクトリにFTPやSSHなどでアップロードし配置してください。
この時Macなどでは隠しファイルとなる、.env などのドットから始まるファイルもアップロードし配置することを忘れない様に気をつけてください。
めちゃくちゃファイルが多く、FTPとかだと結構時間かかると思いますので、お茶でもいれて待ちましょう。
3. ファイル配置の確認
SuiuteCRMとして設定したURLのpublicディレクトリにブラウザでアクセスします。
publicディレクトリをルートディレクトリに設定している場合
http://{レンタルサーバーで設定したURL}/
ルートディレクトリが設定したURLの場合
http://{レンタルサーバーで設定したURL}/public
もし、サーバー上の設定でこのpublicディレクトリをURLのルートディレクトリに設定できる様であれば、その方が良いでしょう。
上の様な画面が表示されたら、次のステップへ進みます。
4. データベースの用意
データベースをレンタルサーバー上で用意し、設定するにあたり以下の情報を控えておきます。
- ホスト名
- データベース名
- ユーザ名
- パスワード
5. インストール作業

上記画面で以下必要事項を入力します。
URL OF SUITECRM INSTANCE | URL |
DATABASE CONFIGURATION: | |
SuiteCRM Database User: | データベース ユーザ名 |
SuiteCRM Database User Password | データベース パスワード |
Host Name | データベース ホスト名 |
Database Name | データベース名 |
Database Port | データベースポート番号 未入力でも大丈夫な場合が多いですが、3306以外がサーバーで指定されている場合はポート番号を入力(Coreserverでは未入力でいけました) |
POPULATE DATABASE WITH DEMO DATA?: | デモデータを必要とする場合は「Yes」を選択 |
SITE CONFIGURATION: | |
SuiteCRM Application Admin Name | 管理者ユーザ名 |
SuiteCRM Admin User Password | 管理者ユーザ パスワード |

入力が完了したら右上の「PROCEED」ボタンをクリックして先に進みます。
この時、インストールの警告を無視してよければ、「Ignoring install warnings」にチェックを入れておいてください。
6. インストール完了
インストールが完了すると以下の様なログイン画面が表示されます。

そしたら 5.インストール作業 で入力した「管理者ユーザ名」と「管理者 パスワード」を入力して「Log In」ボタンをクリックします。
するとどうでしょう!無事インストール完了!!!
・・・とはならず、今回の場合以下の様に画面にスタイルが反映されていない様に表示されてしまいます。

どうやら以下のファイルが読み込まれていない様で、調べてみるとディレクトリのパーミッションが 770 になっていたためでした。
/public/legacy/cache/themes/suite8/css/Dawn/style.css
/public/legacy/cache/themes/suite8/js/style.js
ディレクトリ自体のパーミッションを755にすることで以下の様に無事表示させることができました。

7. 日本語化
まずは日本語化するのに必要なファイルを以下URLよりダウンロードします。
SuiteCRM core (ja).zipというファイルがダウンロードできます。

その上で、日本語化については右上の「Administer」から「Admin」を選択してAdministration画面へと行きます。

Administration画面では「Module Loader」をクリック

「ファイルを選択」からダウンロードした SuiteCRM core (ja).zip ファイルを選択し「UPLOAD」ボタンをクリック

アップロードが完了したら「INSTALL」ボタンをクリックし、Ready To Install画面へ遷移したら「COMMIT」ボタンをクリックします。


「Successfully」と表示されればインストール完了
一度ログアウトしてログイン画面へいくと「日本語 (Japanese) – ja_JP」が選択できる様になります。

日本語を選択してログインすると無事ダッシュボードが日本語化されてわかりやすくなりました。

まとめ
SuiteCRMはバージョンが7系と8系とある様で、7系のものに関して日本語で書かれているサイトやドキュメントは多くみられたのですが、8系に関してはあまりなかったので、今回やってみました。
色々と詰まったところはあるのですが、わかってくればインストール作業も決して難しくないかなと思います。
ファイル数が2万を超えるので、レンタルサーバーに反映する場合はSSHで入れるのであれば、サーバー内でファイルをダウンロードして解凍することをオススメします。
レンタルサーバーでインストールできることでランニングコストとしてかなり格安で顧客管理システムを利用できるのは大きなメリットかなと思います。